報道関係者各位
プレスリリース(報道資料)

2015.07.13
ニュースリリース

火山活動を24時間映像で遠隔監視・観測 長距離無線LAN 臨時可搬パッケージを開発

日本電業工作株式会社(本社:東京都千代田区九段南4-7-15、代表取締役社長:瀬川純)はこの度、火山などの自然災害現場からハイビジョン映像を伝送できる長距離無線LANシステムFalconWAVE®を使用した「臨時可搬パッケージ」をリリースします。これにより、監視・観測ポイントから火山活動を24時間カメラ監視でき、役場等の対策拠点までを最長30km無線でつなぐことができます。さらに広域Wi-Fiエリア化を同時に行うことができるので、緊急時でもインフラ通信を確保することができます。

製品概要

全国にある活火山では常時、活動状況が観測されていますが、活動が活発化した際の避難計画や二次災害を防ぐための観測など、すぐに対応できるような対策が必要となります。活火山周辺の観光施設や地域住民への連絡手段の確保や情報提供を迅速にできることが重要視されています。

長距離無線LANを活用した「臨時可搬パッケージ」は映像伝送に必要なカメラ・アンテナ・無線装置(FalconWAVE)類をすべてパッケージ化したシステムです。電源を接続することにより最短15分で災害現場等からライブ中継を行うことができます。臨時でカメラを設置したい場合でも、電源不要の自立電源で設置することができるFalconWAVE2.4Gを利用することで簡単に設置・移動することができます。

パッケージ構成は、現場の状況に合せて柔軟に無線ネットワーク構築ができるので早期対策に対応できます。

図1.製品概要

図1.製品概要

特長

1. 長距離伝送+広域Wi-Fiエリア化

監視・観測ポイントでは、火山カメラの映像をFalconWAVE2.4Gで集約でき、町役場等の対策拠点を結ぶ場合でもFalconWAVE4.9Gで最長30kmの映像伝送が可能です。さらに、監視・観測ポイントの現場では広域Wi-Fiエリア化によりスマートフォン、IPトランシーバーを操作できる環境を提供します。

図2.利用イメージ

図2.利用イメージ

2. 簡易設置

現場付近の監視・観測ポイントでの火山監視カメラ映像伝送には、自立電源を利用して商用電源不要での運用が可能です。また、無線利用において面倒な方向調整・設置設定は、高利得(15dBi)、広角(27°)アンテナにより現場で簡単に設定が可能です。通信の見通しが利かないような場所では3G回線を利用して携帯電話通信ができるので、光回線がなくてもいつでもすぐに運用を開始することができます。

3. 24時間監視に対応

赤外線サーマルカメラを使用することで、熱を感知して噴煙の様子が夜間でも映像で認識することができます。浅間山にて2015年7月2日20時半の時間帯で撮影した画像を、高精細可視光カメラと比較すると、0.005Lxの映像ではかすかに稜線が見えますが、0.01Lxでは何も確認できない状態です。さらに高性能レコーダーに保存し、リアルタイム映像だけでなく過去の変化の様子を確認することもでき、現場の活動状況の検証に役立ちます。

図3.カメラ映像比較(浅間山画像、2015年7月2日20時半)

図3.カメラ映像比較(浅間山画像、2015年7月2日20時半)

火山監視パッケージの構成

FalconWAVE 2.4G臨時可搬パッケージを活用することにより、監視・観測ポイント付近で約1km四方に配置する最大4カメラの映像を無線LAN集約することが可能となります。さらに、M2Mルータを内蔵した「マルチカメラ監視mini3G版」を利用すれば、携帯電話3G回線を使った映像伝送も可能となります。

災害現場と町役場等の対策拠点を結ぶ場合は、FalconWAVE4.9G臨時可搬パッケージを利用することにより、最長で30kmの映像伝送が可能です。

図4.パッケージ概要

図4.パッケージ概要

今後の予定

7月22日から東京ビッグサイトで行われる「気象・環境テクノロジー展」にて実機を展示します。
また今後、DynaMode®画像監視システムで撮影映像から画像処理技術により泥流発生の検知を行う予定です。