第2回 通信インフラを支えるDENGYOのフィルタ

ラジオ放送、移動体通信、地上デジタル放送など電波は幅広く利用されています。
フィルタというと、アンテナのように外には見えないので知らない方も多いかと思いますが、通信設備を支える重要な装置です。
DENGYOでは国内だけでなく海外でも対応できる小型で軽量な製品の開発を行っています。

今回は通信インフラを支えるフィルタの開発現場をご紹介します。

フィルタってなに?

フィルタとは特定の周波数を通過・遮断するための装置で、簡単に云えば、コーヒーのフィルタを想像してください。挽いたコーヒー豆にお湯を注ぎフィルタを通さずそのまま飲んでしまうと美味しくはないと思います。空中を飛び交う電波も同じで送信器から出されるときに余分な物を取り除く、空中を浮遊するあいだに汚れてしまった電波を、綺麗にクリーニングして受信装置に届けてあげる。コーヒーフィルタと同様に無線伝送装置にはなくてはならない存在なのです。そのため、必要な周波数をフルに活かせるよう、高減衰や低損失のフィルタが求められています。

DENGYOでは放送用の東京タワーや東京スカイツリーなどに代表される基幹局用の大電力フィルタをはじめとして、サテライト局にも多くのフィルタを提供しています。

また移動体通信基地局や多くの官公庁にも用途に応じたフィルタを提供しています。

フィルタがお客様の課題を解決します!

DENGYOのフィルタは幅広い事業領域があります。対応できる周波数も多いので様々な分野でお客様の課題を解決するフィルタを提供しています。

官公庁や公共向けにも使用されています。

開発現場に潜入 グローバルな対応に向けた開発を進めています。

各製品をすべて個別に開発設計していくのではなく、共通部分の上に個々の製品を開発していく「プラットフォーム型開発」により試作時間の短縮を図るなど、スピードUPとコストダウンに取り組んでいます。

開発者インタビュー

グローバル市場を見据えた
プラットフォーム開発の推進

フィルタ事業部 技師
宮本 幸一

フィルタ事業部では従来、多品種・少量生産により、個々のお客様のニーズに合った製品を手作りで生産していました。営業がお客様の要望を聞き、職人がひとつひとつ手作りで要望に見合った製品を作り上げていたといって良いと思います。

そのため量産品であっても、コストダウンに繋がらない、また受注生産のため納期も掛かってしまうなど弊害が発生し、現代のお客様のニーズになかなかマッチできなくなりました。

フィルタ開発部門では創業以来65年間、様々なかたちで蓄積されている技術の棚卸しを数年掛けて実施してきました。現代の技術や将来を見据えた研究技術を積極的に取り入れ、プラットフォーム型の製品開発を推進しています。

この取り組みによって短納期対応やお客様へのコストダウン提案などが行えるようになります。

またお客様の使用状況を考慮した製品アドバイスなども行っています。

DENGYOはご存知のように中国昆山に自社の生産工場を持っています。今後は日本市場のみならずグローバル市場を見据えたプラットフォーム開発を積極的に推進し、その技術を日本市場に逆輸入できたらと考えています。

> 海外展示会の様子:イベントレポート