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FalconWAVE®長距離無線LANシステム

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平面アンテナとオムニアンテナの活用法

無線通信における、送信/受信システム間の電波伝搬特性は図1のような計算式で表されます。
デシベル計算の場合の受信電力は、
受信電力=送信電力+送信アンテナの利得+受信アンテナの利得-自由空間伝搬損失
となります。

図1 電波伝搬のイメージ

ここで、自由空間伝搬損失L=20log(4πd/λ)は、伝搬距離dに対して、電波の自由空間減衰を計算する式です。波長λは周波数の逆数で周波数が高い程減衰が大きくなります。この距離減衰は無線の自然現象ですので避けられません。
この減衰を補うには、送信電力を増やすか、アンテナ利得を上げるかの2つの手段となります。送信電力は、無線規格で出力値が規定されています。送信アンテナ利得Gtは、実効放射電力に制限があり、送信アンテナ利得にも制限があります。また、受信アンテナ利得は送信アンテナと同一になり、一部制限あり(システムごと)となります。したがって、アンテナ指向性とアンテナ利得の最適化が必要となってきます。

アンテナの役割は、送信側では必要な方向に電力を集中させることにあり、受信側では不要な方向からの電波をカットすることにあります。このためには、アンテナ素子を複数組み合わせることにより電波方向への電力を集中させた指向性を設計することが有用です。
アンテナの放射指向性によるタイプ分類を図2にまとめました。アンテナ分類は下記の3タイプに分類されます。

図2 アンテナ放射指向性による分類
アンテナ分類
(1)完全無指向性アンテナ
電波を上下左右球状に各方向同じ強さで放射するアンテナ。(理論的な“点波源”で現実には存在しない)
(2)無指向性アンテナ(オムニアンテナ・ホイップアンテナ)
電波を水平面内の全方向に均一レベルで放射する。又は全方向からの電波を受信出来るアンテナ
(3)指向性アンテナ(平面アンテナ)
電波をある特定方向のみに放射する、又はある特定方向からの電波のみ受信出来るアンテナ

建物内でのアクセスポイント干渉特性を想定した指向性平面アンテナと、無指向性ホイップアンテナの通信距離に応じたエラー品質測定系の構成を、図3に示します。

図3 アクセスポイントのアンテナ干渉特性試験1

実験は30m長のビル廊下で、受信側を16dBi平面アンテナとして、送信側を16dBi平面アンテナと1/4λホイップアンテナで送信し、アンテナを徐々に離してエラー品質を測定しました。
図4に測定結果を示します。

図4 アクセスポイントのアンテナ干渉特性試験2

送信アンテナが12m離れた地点では、両アンテナとも10-8以下のエラーフリー状況でした。24m離れた地点では、平面アンテナは10-8以下のエラーフリー状況で、品質が変わりなく通信に支障はありませんでしたが、ホイップアンテナは1.9×10-6とエラーが多発しました。この結果から、簡易なホイップアンテナでは10数mが通信限界で、これ以上の距離で通信を行うには平面アンテナが有効であることがわかります。

オムニアンテナと平面アンテナの伝搬距離特性を図5に示します。
2.4GHzでは、アクセスポイント用の10dBiオムニアンテナで800mの伝搬特性が得られ、中継用の16dBi平面アンテナで8kmの伝搬特性を確認しました。

図5 伝搬特性の概要

アクセスポイント用アンテナとタブレット端末を利用したデータ伝送試験では、半径500m離れた地点で伝送速度4Mbpsを確認しました。また、4.9GHz実験では、中継用の20dBi平面アンテナで19kmの伝搬特性を測定しました。高利得の平面アンテナや広角オムニアンテナを使用し、かつ無線機も長距離伝送に最適なパラメータ設計することにより、優れた無線伝送を得られていることがわかります。

高利得アンテナを用いることにより長距離伝搬が実現することは前述しました。単に利得をもっと高くすれば更に長距離の伝搬は可能になります。しかしながら、実用性として重要なことは、(1)無線通信設定の簡易性と、(2)地震や台風への耐災害時の安定性の2点です。
無線通信でアンテナ設置設定を経験した人なら通信先のアンテナを捕捉できず、このため通信システムの確立が完了できなくて苦労したことがあると思います。また、東日本大地震ではアンテナ方向がズレてしまい無線通信が確立できなくなった区間が多くありました。
これらのアンテナ方向ズレを解決するには広角指向特性を実現することが必要です。指向性(半値幅)とは、ピーク利得の方向から3dB利得が落ちたところ(電力1/2)になる角度です。この角度を広くすればアンテナの方向ズレを解決できますが、一方、アンテナから放射するエネルギーは一定で、ピーク利得が低下しまい、伝搬距離が短くなることが普通です。この2点をどう両立するかがアンテナの設計開発の技術となります。
図6は、4.9GHzで、利得19.5dBiとV面/H面両方の指向性(半値幅)18度を実現したアンテナの例です。簡易な設定と長距離伝搬特性を両立した広角指向特性の平面アンテナです。20dBi利得では通常は3度程度となる指向性を18度と広角にするためにアンテナ構造に高度な技術を適用して実現しています。

図6 4.9GHz 平面アンテナ指向性
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