DENGYO事業開発部では、「Wireless Innovation for 環境」をテーマに電波を利用した新たな製品の開発を推進しています。
今回紹介する第1グループでは、ワイヤレス通信を利用したセンサネットワークの開発と電波を電気に変える注目技術であるレクテナの開発を進めています。
ワイヤレスセンサネットワークでは“同時に複数のセンサ情報を無線伝送”する技術や、レクテナの遠隔給電技術を活かした、“電源不要でセンシング情報を無線伝送”する技術を開発しています。
展示会へ出展を積極的に行い、顧客ニーズに合わせてさまざまなソリューション開発を行っています。
製品化されるまでの開発現場のフローをご紹介いたします。

開発者の頭の中にあるアイデアを出し合います。
技術者は日々の生活の中でもDENGYOの技術で解決できることはないか考えているのです。



コンセプトの仮説を設定し、仮想カタログを作成。顧客のニーズ・価値を把握します。
他部署もまじえて様々な仮説を検討しながら作り上げていきます。社内のチームワークが重要です。



ターゲット市場の把握のため製品化により近い試作を心がけます。
DENGYOの技術者たちは納得のいく製品が出来るまで妥協しません。




試作品を展示し、市場を調査します。
顧客への訪問などにより顧客ニーズの調査も行います。
お客様の生の声が聞ける唯一の場所と考え、コミュニケーションを取りながら技術のPRもしていきます。





量産化の検討、価格の検討。製品化へ。


さまざまな検査を経て、出荷へ。

2001年 | SPS用小型高効率移相器を開発 |
---|---|
2002年 | 電力回生ダミーロードを発案 |
2004年 | 社外へ初の試作品納入 |
2009年 | レクテナ開発の3本柱を決定 ワイヤレス給電・電力回生・エネルギーハーベスティング |
2010年 | レクテナ技術により、90%以上の高い電力変換効率を実現!! |
2011年 | センサネットワークをワイヤレス給電で実現! |

DENGYOは、レクテナを利用した「エネルギーハーベスティング技術」・「マイクロ波ワイヤレス伝送技術」など研究開発を通して宇宙太陽発電所の実現に協力しています。
世界中で研究されていますが、実用段階にあるものは殆ど存在していません。
その中でDENGYOは、レクテナ開発において世界最先端の技術を有しており、世界から注目を集めています。

事業開発部では、コア事業であるアンテナ・フィルタとは違った、電波を活用した技術の開拓に取り組んでいます。
当グループでは、電波を電気に変えるという「レクテナ技術」と、ワイヤレス技術を活かした「ワイヤレスセンサネットワーク」に積極的に取り組んでいます。
先ずレクテナですが、私は大学時代からレクテナに興味があり、宇宙太陽発電用のレクテナを研究していました。
私が入社した当初、レクテナは認知されておらず、個人的な研究として日常業務とは別に社外で時間を作って取り組みました。
幸いなことにDENGYOには意欲があれば研究開発ができる環境があり、先輩達の支援もあって徐々に研究が進み、平成20年ごろから会社としてレクテナ開発に取り組むことになりました。現在は、電気自動車へのワイヤレス給電の共同開発や、電波塔から出ている電波を電源としたセンサや照明などの開発が進んでおり、ワイヤレス給電の長大な伝送距離、エネルギーハーベスティングでは暗闇でも駆動機構無しで高効率に発電できる点をアピールしています。
最近、レクテナが注目されている理由として、ワイヤレス給電やエネルギーハーベスティングへのユーザーニーズの増加が挙げられます。一方で、ワイヤレス給電は既存システムや人体への影響の無い範囲で導入を図ってく必要があり、レクテナの商品化と共に検討を進めています。
次にワイヤレスセンサネットワークですが、こちらはコア事業で培ったワイヤレス技術を活かしつつ、お客様のニーズに合ったセンサネットワークを構築しています。
有線からの開放によるレイアウトの自由化や簡単設置をアピールしています。センサの利用は、省力化や品質管理などの分野で効果が大きく、更にそれらをワイヤレス化して利便性を向上させることは、とてもやりがいのある仕事です。
今後は、ワイヤレスセンサネットワークの実用化と、レクテナ分野では、エネルギーハベスティング、電波塔などから出ている電波を使ったセンサネットワークや電波の有効活用、マイクロ波反射電力回生装置、ワイヤレス給電。
他社にない新しいものを作り出せるよう、新規事業開発に取り組んでいきたいです。